失敗しないホームページリニューアルのために
最近、サイトのリニューアル案件が続いたので、少々、思うことを書いてみます。
「ホームページをリニューアルしたい」と考えるとき、どのように計画を立てるでしょうか?
なんとなく「デザインを変えれば反応が上がるのでは」というだけの動機では失敗に終わる可能性も低くないのです。
ホームページリニューアルのリスク
仮にデザイン面のリニューアルのみであった場合、現在の検索流入は維持したいでしょう。
HTMLの構造だけでなく、場合によってはページ構成・コンテンツ文章自体も変更するわけですから、結果として検索流入が減る可能性もあるのです。
コーディングは慎重に行う必要があります。
また、コンバージョンが少ないのは流入絶対数が原因であり、意外にも使い勝手がよいと考えているユーザーもいるのかもしれません。
現状を認識できていなければ、コストと手間を掛け、サイトを改悪してしまう可能性だってあるのです。
「なぜサイトをリニューアルするのか」
もう一度よく考えてみる必要があります。
現サイトの問題点を洗い出す
それではあなたが考える問題点を書き出してみましょう。
- モバイル対応できていない
- 文字が多く内容がイメージがしずらい
- 古くなってしまったデザイン
- ユーザビリティが悪い
- コンバージョンが低い
- コンテンツが希薄である
- 機能面の不備
- 開設当初との方向性やサービスの変化
- ターゲット層を集客できていない
例として上記のような問題点を挙げましたが、この段階でコンテンツリニューアルなのか、デザインリニューアルかをよく考察します。
1~4はデザインリニューアルに相当
その他はコンテンツリニューアルの要素を含む
既存サイトが目的をどの程度果たしているかの確認も重要
下記のようなアナリティクスやサーチコンソールでのアクセス解析項目が役に立つでしょう。
コンテンツの内容によって基準は異なりますが、基本的な説明をしておきます。
- 滞在時間
- どのくらいの時間サイトに滞在したか?
ページに対する満足度の指標となる。 - 回遊率
- 流入したページ以外にサイト内のページをどのくらい見たか?
サイト全体の満足度の指標。直帰率やリピート率もこれらの要素を含む。 - コンバージョン
- どのくらい設定した目標に到達したか?
コンバージョンの設定内容にもよるため、適正値が難しいが、平均的な目安は1~10%程度。(問い合わせをコンバージョンとした場合、10%であれば10人訪問で1件の問い合わせ) - 検索流入についての情報
- どのような検索キーワードでサイトに流入したか?
想定キーワードでの検索順位の把握とそのキーワードが適切なのか考察するための指標となる。(サーチコンソールの検索アナリティクスで検証)
これがなければ、現在のキーワードを含めたターゲッティングの妥当性が見えませんし、リニューアルの目標設定や効果測定はできません。
わたしがリニューアル案件を受ける場合はアクセス状況のデータ取得期間を設けることが多いです。
コンテンツリニューアルでも既存のページ自体は大きく変わらない場合もありますが、現状のターゲッティングを維持・向上させるか、分析結果によっては見直しの検討が必要でしょう。
マーケティング要素はここでは割愛しますが、サイトの根幹に手を加えることになるため、もはやリニューアルレベルではない規模となる可能性もあるでしょう。
この際には腹を据えて十分な時間を使ってコンテンツを練りましょう。
リニューアルの計画を立てる
問題点と実際の分析より、改善点と明確にしたリニューアル仕様書を作成します。
同時に現実的な目標を設定しましょう。
- レスポンシブデザイン
- デザイン刷新
- ユーザビリティ改善
- 写真や動画の追加
- コンバージョン率アップ
- コンテンツの充実
- 機能面の追加
デザイン作成
改善点を反映したワイヤーフレームをベースにデザイン作成を行います。
リニューアルでは下記のような点にも注意する必要があるでしょう。
- 現在のサイトから写真や文章を流用するか
- URLは変更してよいのか
- キーワード取捨選択などSEO的見地
リニューアル実行
デザイン案より実際のコーディンクを行います。
URL変更を伴う場合はリダイレクト処理などを行います。
そして、重要なのは期間を設けて目標に対して効果測定を行うことです。
達成度合いに応じてさらなる改善を実施していきます。
リニューアル案件では計画がずさんだったり、ブレてしまったりというようなことが原因で迷走に陥ることがしばしばあります。
典型的な失敗リニューアル
- コンバージョンが改善されない
- 検索流入が大きく減少してしまった
- やりたいことを詰め込み過ぎてユーザビリティーが悪化した
- 競合と類似してしまいオリジナリティがなくなった
- リニューアル時に目標を設定しなかったため、成功か失敗か分からない
- 目標が適切でなかったため、リニューアルが謝った方向に進んでしまった
- そもそもターゲッティングに問題があり、集客向上が見られなかった
実際にはユーザビリティひとつとってもターゲット層によって最適なものは変わりますし、コンバージョンアップのためには導線の確保、離脱されないためのフォームの最適化などやることは山ほどあるでしょう。
また、必要に迫られてとりあえず、スマホ対応だけを行う場合もあるでしょう。
この記事で伝えたかったのは基本の考え方です。
初期段階での現状認識と計画こそがリニューアルの成功失敗を分けるといっても過言ではありません。
せっかくコストや労力を掛けてリニューアルするのですから、よくよく考察してほしいと思える事例が非常に多いのです。
サイトを健全化して基礎力を上げる
Photo credit: david roessli / Foter / CC BY-NC-SA
このブログを始めたばかりですが、リニューアル案件やら、ちょっとしたセミナーの準備などが続き、前回の更新からもう2週間も経ってしまいました。
いつもウェブに携わる仲間とも言っているのですが、どうしても自分のサイトは後回しになってしまいます(笑
さて、最近のウェブ集客では、SNSの活用などいろんな要素があるのですが、それらは直接的な流入を得るとともに、サイトやドメインの評価につながります。
コンテンツマーケティングといわれるように、つまるところ、良質なコンテンツを作れば自然な被リンクは得られる。
ここ数年で大きく変わったのはブラックSEOを追放しようという動きが非常に強いことですからね。
まあ、本来あるべき姿に近づいているということでしょうか。
ブラックSEOというのは人為的な被リンクやスパム的な内部構造など、いわずもがな検索エンジンを欺く行為です。
意識の高いブロガーやサイトオーナーは自然にできているのですが、いまだにそういった思考から抜け出せない方を多く見ます。
ちょっと突飛に聞こえるかもしれませんが、わたしは将来的には検索需要自体が減ると見ています。
ただ、それでも上位表示というものはウェブサイトオーナーにとって大命題でしょう。
しばらくはこのブログでは少しでもそういった方の参考になるよう記事を書いてみようと思っています。
サイトを健全化して基礎的な力を上げることに特化したものです。
Googleの公式見解をすべて鵜呑みにはできませんが、最も基本となるのはペンギンやパンダアップデートの指標でしょう。
つまり、ユーザーのためにコンテンツの質を高めることで上位表示することです。
というか、この記事自体、目新しいものでも面白いものでもないし、検索エンジン的にも評価されないでしょう。
サイトで検索エンジンからの集客を目指す方はこんな記事書いていてはダメです(笑
ウェブサイト集客に悩むのはSEO弱者か?
Photo credit: Leonard John Matthews / Foter / CC BY-NC-SA
わたしは大手から個人商店まで、サイト制作やプランディングに携わらせてもらっているのですが、基本的には中小規模のウェブサイトが多いです。
この中小のウェブマスターはわりと早くに自社サイトを立ち上げたところが多いのですが、話を聞くとSEOに関しての意識に二極化が進んでいるよう見えます。
Googleの流れを読み、コンテンツの強化に力を入れて集客している方もいるし、うまくターゲッティングできていることで、今でも当初と変わらずコンバージョンを得ているサイトもあります。
逆に先行者利益的なものを失い、最近では集客に苦しんでいるサイトオーナーも多いです。
たちが悪いのがどこから聞きかじったか、古いブラックSEOを今でもせっせとやってる。
「検索順位が落ちる一方だが、原因が分からない」
と悩んでいるそんなパターンです。
きつい言い方をするとSEO弱者とでもいうのでしょうか。
そういう方の特徴が自分で設定したキーワードでの検索順位の上下に一喜一憂するということです。
ですが、実際の流入やコンバージョンはというと、ほとんど意識していない。
そのキーワードで流入してますか??
キーワードにマッチしたコンテンツでしょうか??
コンバージョンに繋がってますか??
などなど、普通にサイト運営している方には信じられないかもしれないんですが、意外に多いんですね。
しかしですね、みんな一生懸命なんです。
それだけは伝わってきます。
ですから、わたしも微力ながら仕事抜きでも相談にのり、アドバイスをさせていただくことがあります。
その際に必ずいうのがSEOは実際以上にサイトの評価を上げるものじゃないということです。
「検索エンジンに正確な内容を伝えること」
本当にここを勘違いしている方が多いです。
SEOとはwebサイトに集客するための魔法だと考えているようです。
ですから、いまだに自作自演の被リンクが中心のSEO業者に引っかかるわけです。
仮に今効果があったとしても、それが来年、いや数カ月経つとマイナス評価なる可能性だってあるんです。
内的SEOとしてサイトにマッチしたコンテンツを作るというサービスもあるようですが、あなたのサイトのことを一番分かっているのはあなた自身です。
それ以上のコンテンツなんか書けるわけがないんです。
まあ、実際、テクニック的なものはあるんですけど。
結論として、SEOなんか分からなくても集客はできます。
とりあえず、そのグレーな手法をやめるだけでもサイトの基礎評価が上がる可能性があります。
SEOに弱いと自覚しているのであれば、ユーザーの視点に立ったコンテンツを作ることだけを意識しましょ。
頑張るポイントを間違えないでほしいです。
本日もそのような方と面談します。
さて、どんなことになってるサイトだろう・・・
ブログは外部?それともメインサイト内に設置すべき?と悩む前に
Photo credit: Richard Clark (Digimist) / Foter / CC BY-NC
ブログをサイト内に含めるか否かで迷うウェブマスターはいまだに多いようです。
この場合のブログというのはいわゆる本サイトの補足的なものを指します。
悪くいえば、旧来の無料ブログを使ったサテライトサイトというやつですね。
無料ブログを使ったサテライトサイト(別ドメイン)
そもそもサテライトサイトという考え方自体が時代遅れですが、目的は入り口を増やすことでしょう。
そして、もうひとつは被リンクを稼ぐこと。
これにはIP分散という考え方が軸になっていますが、自作自演のこの手法を現在のGoogleは好みません。
たとえ、質が伴っていてもその構成自体がリスキーなのです。
もちろん、外部ブログなど自体の独自な要素で集客が見込めるのであれば、それはそれでありです。
利用しない手はありません。
落ち目とはいえ、アメブロなどはその効果が認められるところですし、このはてなブログもそういったメディアの代表でしょう。
サイドバーからのリンクは危険
ただし、上記のように本サイトへリンクをする場合は要注意です。
もっとも危ないパターンは全ページに出力されるサイドバーからのリンクです。
自分のサイトであれば、サイドバーリンクにはnofollow属性をつけます。
<a href="http://example.com/" rel="nofollow">本サイト</a>
これは純粋にユーザーから得られた自然な被リンクでさえ、意図的なリンクと見なされてしまう可能性もあります。
場合によっては定期的に被リンクをチェックし、自然リンクでそのようなものを発見した場合はサーチコンソール(旧ウェブマスターツール)でのリンクの非承認が必要でしょう。
全ページからの共通リンクにはnofollowとした上で関連のあるコンテンツからのみ適時、リンクを貼ります。
あくまで流入口のひとつとして認識して、基本的に被リンクを稼ごうという考え方は捨てましょう。
使っているサービスによって異なると思いますが、このはてなブログの場合はサイドバーでのリンクを使うとnofollowをつけることができません。例としてHTMLモジュールを使う方法を紹介します。
<モジュール「HTML」を追加>
- はてなブログ管理画面へログイン
- 左メニューより「デザイン」をクリック
- 左メニューより真ん中にある「カスタマイズ」のアイコンをクリック
- アイコンの下に一覧表示された「サイドバー」という項目をクリック
- 一番下にある「モジュールを追加」をクリック
- 「モジュールを追加」の画面メニュー左にある「HTML」をクリック
- 「タイトル」には任意ご入力する。その下にあるテキストボックスに対し以下をを入力。
<a href="http://example.com/" rel="nofollow">本サイト</a>
(※モードは「HTML」) - 入力が完了したら青い「適用」というボタンをクリック。
- 適用後、プレビュー画面に正しく表示されているかを確認して、問題がなければ左メニュー上の「変更を保存する」という青いボタンを押す。
独自ドメイン内のブログ
それでは本サイト内の下層にWordPressなどでブログを構築した場合はどうでしょう?
これも質が伴ってなければ意味がありません。
コンテンツの質とは
1.メインサイトのテーマに沿っているか?
2.訪れたユーザーの役に立つコンテンツか?
流入するユーザー層を明確に想定して、その欲求に対するあなたの視点での答えを提供するのです。
「定休日の案内」や5~6行程度の「店長日記」みたいなものでは無意味です。
実際にまだ安定していないと思われる今回のパンダアップデートではドメイン内に設置したブログの低品質が原因と思われる順位の下落が見られたという情報もあります。
このようなコンテンツしか作れないようであれば、ブログなどやらない方がよいでしょう。
外部ブログ?ドメイン内ブログ?の結論
外部ブログは被リンクの獲得ではなく、独自の集客口として使うべきです。
つまり本サイトそのものを育てるという意味ではプラスになりません。
よく考えてみましょう。
あなたのコンテンツが人気となり、結果としてドメインを育てることに貢献したとしても直接の流入以外のメリットはないです。
何よりせっせと書いたコンテンツが規約の変更などで容赦なく削除されるリスクだってあるのです。
ケースバイケースであるとはいえ、期待される流入量と天秤にかけるとどちらが向いているか結論は出るはずです。
ブログをドメイン内部に持つ場合はそれはそれでキーワードの共食い(キーワードカニバリゼーション)という現象などに注意する必要がありますが、外部ブログが被リンク対策にならない以上、こちらが王道といえるでしょう。
いずれにしても、どちらであろうが、どうでもよい低品質コンテンツなら意味がありません。
コンテンツマーケティングという手法が語られだしてから結構経ちますが、それでも被リンクの効果は高いですし、必要です。
ブラックSEO派の方たちなど異議があるかと思いますが、コーポレートサイトだったり、独自のECサイトのオーナーではリスクが高い手法を取るべきではありません。
よいコンテンツを提供することにだけを考えましょう!